2023年09月20日

宗教というより信仰

先日NHKであの「大本教」と教祖 出口なお 王仁三郎のことをやっていた。

知る人は知るがほとんど一般には忘れ去られていること。明治から昭和にかけてピーク時には800万の信者を誇る大教団。(当時の総人口7000万)
その番組の中で頭に残るコメントが一つあった。それは例えば吉野作造などの運動家や白樺派の文芸術家などに象徴される「大正デモクラシー」の機運運動は理想は高く素晴らしいが、当時貧しく疲弊した圧倒的多数の「農村庶民」には必ずしも浸透共感し得なかったというもの。

それに比し、この教派神道系の教えは大元教だけでも総人口の一割、その他日本固有のこの古神道の流れの教派はいくつも当時存在しており(あるものは仏教の形またあるものはキリスト教というふうに存在した)、いかに広く「根底にあるもの」が日本人に受け入れられていたかということがわかる。 宗教と言うだけで毛嫌いする今の日本からはちょっと想像できないのが当時の状況かと思われる。
しかしこれらの「教え」は一様に天皇を中心に据え、世界平和を訴え行動(一部の軍部 政治家 財界などの重鎮も直につながる)していたのもまた歴史的事実で、これを同じく天皇を声高にする軍部と特高がすべて「天皇に対する不敬罪」の名目で逮捕糾弾撲滅してしまった。
こういう「事実」は教科書はもちろん相応の人でもあまり知ることはない。

西郷にせよ海舟にせよ鉄舟にせよ実務家であったことに間違いはないが、この人たちもまた「禅」と言う日本固有の宗教(古神道の実践)に裏打ちされた存在であったことを忘れてはならない。  またそのことは多少色合いが違っても尊徳や賢治やあるいは幸之助についても流れるものは同じだと感じる。

世界の歴史を見ても少なくとも何世紀に一度の変革期となると必ず宗教的天才が現れるなど、「絶対」を覆しうる宗教的見地抜きにこれを語ることはできない。



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Posted by 大谷 真洋 at 10:30│Comments(0)歴史と文明・未来
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