2010年12月13日
山が大切ー水と農業


久しぶりに、山仕事のお手伝いに行って来ました。山仕事はよく言われますように本当に危険が一杯の仕事で一瞬一瞬気が抜けません。ボーとしていると命取りになりかねません。ですから段取りよくあわてず、ところどころ十分休憩をとるようにしながら仕事を進めます。慣れてきて横着始めると危ない。林業が難しいのは、この危険性の上に事業を長いサイクルで見ていかねばならないことです。農業での作物作りは普通植え付けから収穫までの一年サイクルでそれでも格段に他産業に比べ効率が上がらないのですが、林業となると50年サイクルですから今までの経済効率的枠組みの中では成り立たないのです。戦後は農林業は補助金など補助行政によってなんとかかんとかやってはきましたが、国は借金だらけ山は荒れ放題というどうにもならない状況となりました。
阿蘇は殊に山についての新しい考え方・取り組みが遅れています。よくも悪くも草原の文化だけが強調されます。最近になって草原の再生は言われるのですが未来に残せる本来の山づくりについてはあまり耳にしません。三年くらい前に阿蘇に「あすなろ企画」と言うNPOができました。これはまさに阿蘇において未来に残せる山づくりを行うNPOなのです。代表は山部博典さん、私の10年来の友人ですがこの人は名前からして山部で木と対話し木の気持ちがわかる人なんです。この三年間で少しずつ成果が上がって来ています。阿蘇は先ほど言いましたように山についての考えが遅れていますので(昔から阿蘇には林業というものがないのです。それは農業者の副次的仕事として、我が家を建てたり、納屋を建てたりで生活のなかにあっただけで業としては一般的ではないのです。)なかなか現場の理解を得るのが大変で苦労されています。しかし、山が健全であっての農業ですから皆でこれを支え協力していかねばなりません。光農會は山についても提言・取り組んでまいります。
Posted by 大谷 真洋 at 10:08│Comments(0)
│農と自然